前髪を切るためだけにヘアーサロンへは行きたくない、そんな想いから自分でカットをする人も少なくないようです。初心者からすると難しく感じるセルフカットではあるものの、コツさえしっかりと押さえておけばそれほどハードルが高いものではありません。
色々なカットにもチャレンジをすることができますので、ここでどんな切り方があるのかチェックしてみましょう。
前髪をセルフでカットする際に必要な物
ハサミは通常のストレートタイプにくわえ、すくためのすきバサミがあると毛量の調整を行いやすくなります。また、すきバサミは少しずつカットができますので失敗が少ないはずです。
髪を留めておくためのダッカールをはじめ、ヘアーバンドやヘアピン、あるいはゴムなどの準備も推奨されます。色々な髪留めを駆使しつつ、切りやすいように環境を整えるのが成功の秘訣です。
その他にもコームも準備しておきましょう。小まめに長さを確認して少しずつカットを行うことで、失敗をしてしまうリスクを軽減できます。
セルフカットのコツを確認
成功のためのコツは、乾いた状態でカットを行うことです。濡らした状態で切ると、乾いた時に短くなるため、初心者ですと仕上がりの長さを見誤ってしまう恐れがあります。
引っ張りながらのカットをしないことも大切です。切りやすくするためについつい引っ張りがちですが、これもまた長さを誤る原因になり得ます。
水平を意識して丁寧にカットをすることも心掛けたいポイントです。下手に斜めに切ってしまうと、その部分との長さを揃えるために全体のバランスがどんどんおかしくなってしまうことがあります。
簡単ぱっつんの切り方をチェック
比較的簡単な前髪の切り方として、ぱっつん切りが挙げられます。前髪を揃えて切るだけという手軽なスタイルで、海外ではブラントカットの名称で親しまれています。また水平に切る以外にも、ラウンドさせるスタイルも支持を集め人気です。
切り方の流れは、まず頭頂部から三角の形で前髪だけの分量を取ったら、左右をピン留めしてカットの準備をします。コームでとかしながら切る長さを決めていきますが、いきなり短くするのではなく、少し長めを意識するのがポイントです。
カットを進めつつ小まめに長さの確認を行う作業を繰り返し行い、納得の仕上がりになったら大部分は完了です。あとは前髪の端を、ピン留めしていた部分と馴染むようにカットをしたら出来上がりとなります。
流し前髪の切り方をチェック
自然に流した前髪は、フェミニンで女性らしい印象のあるスタイルです。優しく動きのある雰囲気を出したい時や、クセを活かしたい時におすすめと言えます。
カットの流れは、まず両目の黒目部分の外側あたりから前髪を取り、サイド部分は留めておきます。流す方向とは逆向きを意識して髪を少しだけ取ったら、ハサミを縦に入れながら少しずつカットをしましょう。この時に横にハサミを入れて一気に切ってしまうと修正に苦労をするため、縦カットを意識して、微調整をする感覚で切るのがポイントです。
留めていたサイド部分を外したら、前髪とのラインが自然に繋がるように調整をします。最後に全体の長さや毛量をチェックしつつ、微調整を行ったら完成です。
厚めバングの切り方をチェック
これは前髪を厚めにカットする切り方で、ボリュームのある前髪は小顔効果や若く見える効果を得られるとして人気があります。お団子ヘアーやポニーテールとの相性も良く、アレンジをしやすいスタイルと言えます。
カットの仕方は、まず前髪を頭頂部から三角の形で厚めに取ったらサイドを留め、切りやすいように前髪を三段階の厚さに分けましょう。最下層から縦にハサミを入れて少しずつ切っていきます。この時、顔のカーブに沿うようにサイドを長めにすることで、小顔効果が生まれます。
続いて上の層のカットへと移り、最下層と同じようにして切っていき、最後に残った表面の層を切ったら大部分は完了です。仕上げとして全体のバランスや毛量を調節し、問題がないようなら完成となります。
シースルーバングの切り方をチェック
大人っぽい印象を感じさせるのが、シースルーバングの特徴です。おでこが透けて見える薄さに切るカット方法で、エアリーな雰囲気を楽しめます。重たくなりがちな黒髪や毛量の多い髪質でも、良い抜け感を与えてくれるはずです。
まずは前髪を三角に取ったらハサミを縦に入れながらカットをします。少し長めを意識するとイメージ通りの仕上がりになるはずです。なお、シースルーの範囲を狭くすることで小顔効果にも期待ができます。途中、すきバサミも使っていくことで、失敗をしにくくなります。
スタイリングに関しては、ロールブラシやヘアアイロンを使ってふんわり感を意識するとキュートさが生まれ、ワックスやジェルで毛束感を出せば動きのある髪型を楽しめるでしょう。
アシンメトリーの切り方をチェック
前髪で個性を楽しみたい人には、流しアシンメトリーがおすすめです。サイドの流れを表現しつつ、非対称な前髪がワンポイントになってくれます。おしゃれ上級者向けで、エレガントさも楽しめる髪型です。
カットの流れは、まずはコームで髪を整えたら前髪を三角に取り、サイドのピン留めを行っておきます。なお、中心付近の前髪が流した時の長さとなるため、それをガイドに切っていきます。
中心の前髪を狙い、Vの字の仕上がりを意識して上から下へと縦にハサミを入れていきましょう。途中に一度髪を斜めに流してみて、動きを確認しながら少しずつカットを行うことが大切です。すきバサミによる量の調節も加えていくことで、自然な流れのあるスタイルに仕上がるはずです。
短めジグザグバングの切り方をチェック
ジグザグバングはボーイッシュな雰囲気が溢れつつ、大人っぽくモードな印象も与えてくれます。ラフなデザインながらも洗練さも感じさせる人気の髪型です。パーマとの相性も良く、表情のあるスタイルを好む人に打って付けと言えそうです。
カットの際には頭頂部から厚めに三角に前髪を取ります。続いて前髪を上下に分けたら、覆いかぶさっている側をピン留めします。ジグザグを生み出す隙間を意識しつつ、上から縦にハサミを入れて毛先をカットすると共に、途中で小まめに長さも確認していくのが成功のコツです。
留めておいた上側も同じようにカットをして、最後にすきバサミで毛量やバランスを整えたら完成です。もう少しジグザグ感を出したい場合は、最初の手順から繰り返し、きちんと層を分けてカットすることが大切です。
オン眉ぱっつんの切り方をチェック
オン眉ヘアーはキュートで若々しい印象を与えてくれる髪型で、個性的な表情も楽しむことができます。ただ、セルフカットの時に、切り過ぎてしまうと大きくイメージと違った仕上がりになりかねません。特に巻く場合は長さが短くなるため、やりたいスタイリングを踏まえつつカットすることが大切です。
長さが肝ということもあり、しっかりとクセを直しておくのがポイントです。必要があれば髪を濡らし、生え際部分からリセットさせます。
切りたい長さを決めたら、額にハサミを当てて固定をしつつ、横に水平に切っていきます。この時、コームでガイドをしながらカットをすると、まっすぐ切りやすいはずです。仕上げとして、毛先に少しだけ縦向きにハサミを入れ、全体のバランスを整えたら出来上がりです。
ダブルバングの切り方
ダブルバングは、短い髪と長い髪とが共存する髪型で、その時の気分によってスタイルを変えることができます。分け目を変えるだけで手軽に表情を違って見せられ、短くするのは不安がある人にもおすすめです。
カットの方法は、目尻部分と耳の後ろ部分の双方から、垂直に上がったところを繋いでピン留めします。続いて短く切る髪の幅を決め、長くする部分については同じくピンで留めます。短くする前髪を切っていき、途中ではすきバサミで毛先の動きや毛量を確認していきましょう。
今度は長くする部分の前髪を切っていきますが、短い側の髪を隠す時との兼ね合いを考えながら長さを決めます。こちらも少しずつカットをして、すきバサミで毛量を調節しつつ最後に細部を切り揃え、長短のバランス感を整えたら完了です。
うざバングの切り方
前髪を伸ばし途中に最適なのがうざバングです。おろしたスタイルを楽しむ以外にも、アップヘアーにして大人っぽい表情も作ることができます。髪を伸ばしつつもスタイリングも楽しめる便利な髪型です。
切る前の前段階として、まず三角に髪を取ったら長く残す部分と短くする部分を決めます。仕上がりのイメージを考え、長短の位置決めができたらお互いの先端を結ぶように斜めにカットをし、反対側も切った側の長い部分に揃えるようにカットしましょう。
最後の仕上げにすきバサミで、前髪の角度に合わせてハサミを入れ、毛先をすくと共に全体の形を整えていきます。セットを行ってみてイメージ通りに仕上がったら、うざバングヘアーの出来上がりです。
センターパートの切り方
長さはないものの、センター分けを楽しみやすくするのがこのカットの特徴です。ナチュラルな真ん中分けができ、完全なセンターパートではないのがキュートさのある大人っぽさを生み出します。アレンジもききやすい万能な髪型です。
まずは髪をとかし、分け目部分を決め、片方はピン留めします。眉間付近の髪を垂直におろしたら、内側をやや短くすることを意識しながらはさみを入れていきます。この時には細部の仕上がりを良くするために、ハサミの先端を使って微調整をする感覚で切ることが大切です。髪の毛を持って縦に引き出すと作業をしやすくなるはずです。
毛先の斜めになっているところをまっすぐになるようにカットをしたら一方は完成で、反対側も同じようにカットしていきます。
【前髪を切る時の注意点は?】美容師からのワンポイントアドバイス
前髪をカットする時の失敗パターンとしては、
•前髪の幅を広げすぎてしまい、小顔効果を自ら消してしまう
•シースルーバングを目指して、梳きバサミで梳きすぎる
•前髪じゃないところを切っちゃう
などがあります。
セルフカットをする時は以下に注意しましょう。
•黒目より外側の毛は切らないようにする(幅が広がるのを防ぐ)
•朝の急いでる時、普段の前髪の状態じゃない時に切らない
•梳きバサミで毛先をぼかしながら切るのが安全策
セルフカットでイメージ通りの髪型を楽しもう
前髪は髪が伸びた実感を持ちやすいゆえに気になってしまいがちですが、ヘアーサロンへ行くほどではないようなら前髪カットにトライしてみるのがおすすめです。ここで様々なカット方法を紹介してきたように、ポイントを押さえておけば自分でカットをすることも十分に可能です。
セルフカットを行う際には、ゆっくり丁寧に切っていくことを心掛けるのが、成功の秘訣と言えます。いきなり大きく切ってしまうと修正がきかなくなりますので、時間を掛けて少しずつデザインを作っていくようにしましょう。