ワックスと一口に言っても様々なものが連想されますが、今回は整髪料としておなじみのヘアワックスに関する記事となります!
ヘアワックスは狭義では粘りがあることを特徴とし、蝋のような感じに近く手ですり合わせたときに体温で溶けるものを指します。
ワックスの種類
ドライ
特徴 | 軽めのテイストで硬め |
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仕上がり | 整髪料をつけた感じがなく自然な仕上がり |
メリット | ヘアスタイルが立ちにくい人でもしっかり固められる |
デメリット | 伸びがないためセットの際少し手間がかかる |
おすすめの髪質、髪型 | 軟毛の人、ショートカットの人 |
ドライタイプのヘアワックスは、軽めのテイストでなおかつ硬めです。
特徴は、髪につけても艶が出にくく、キープ力が高めであることからヘアスタイルが立ちづらい人で髪をしっかり固めておきたい人にとっておすすめのワックスです。
ワックスをつけてもツヤ感はあまり出ず、整髪料をつけた感じがなく自然な仕上がりになります。
反面、伸びがないためにセットの際や手直しするのに少し手間がかかることがデメリットです。
したがって、軟毛の人や、ショートカットに適しています。
このタイプのワックスは泥状であることからクレイやマットとも呼ばれます。
ファイバー
特徴 | 髪に付けたときに良く伸び馴染む性質 |
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仕上がり | 髪の毛になじみやすく、束感と程よい艶感 |
メリット | 伸びの良さから手直しも簡単にできるためヘアワックス初心者にとってはおすすめ |
デメリット | 軟毛の人は水分量が多く過度にボリュームを抑えてしまう可能性があるため、注意が必要 |
おすすめの髪質、髪型 | 普通、剛毛、ほとんどの髪型に適していている |
ファイバータイプのものは、成分の中に繊維が入っています。そのため、髪に付けたときに良く伸び馴染む性質があります。
さらに、その伸びの良さから手直しも簡単にできるためヘアワックス初心者にとってはおすすめのタイプです。
何より魅力的なのが、ほとんどの髪型に適していて使い勝手が良いことです。
初心者向けではありますが、慣れている人もよくこのタイプのものを使用しており根強い人気があります。
ただし軟毛の人は水分量が多く過度にボリュームを抑えてしまう可能性があるため、注意が必要です。
ジェル
特徴 | キープ力が高く髪の広がりを防止させることができる |
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仕上がり | 濡れたような質感でツヤが出るので大人っぽい |
メリット | タオルドライをした後の濡れた状態の髪にも使用可能 |
デメリット | 水に溶けやすいため、雨の日など湿度が高いときはセットが崩れやすい |
おすすめの髪質、髪型 | ショートスタイル |
ジェルタイプは、一見するとやわらかくひんやりとしていますが固まることによってツヤ感を出せます。
濡れたような質感でそのまま髪をホールドできるタイプで、ツヤが出るので大人っぽい印象になります。
パーマをかけているときに質感を強調したい人や、くせ毛が気になる人には、ジェルタイプがおすすめです。
またタオルドライをした後の濡れた状態の髪にも使用できるのは魅力です。
ヘアセットの時間を短縮させたいときなどはこちらが適しています。
こちらも、良く使われるタイプのワックスとして定着しておりキープ力が高く髪の広がりを防止させることができるため人気です。
クリーム
特徴 | クリーム状になっておりやわらかい質感 |
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仕上がり | 髪全体のボリュームを抑えたり広げたり、自然な仕上がり |
メリット | 髪の質感や量を問わず、幅広いヘアスタイルに対応可能 |
デメリット | キープ力やスタイリング力がやや弱い。時間が経つにつれてヘアスタイルが崩れやすくなるので注意 |
おすすめの髪質、髪型 | ロングヘア、普通髪 |
クリームタイプは、ドライタイプとファイバータイプの中間くらいの位置でファイバータイプと同様に初心者にとっては使いやすいメリットがあります。
名前の通り、商品はクリーム状になっておりやわらかい質感です。
キープ力が弱いため、かっちりスタイリングするのではなく、髪の流れを整える程度で使用する場合クリームタイプで充分です。
また、髪にボリュームを出したい人にも適していてロングヘアで、少し広がりを出したい人におすすめです。
スタイリング力があまりないため、男性のショートヘアなどにはあまり適していません。
グリース
特徴 | 硬い質感でツヤを出しやすい |
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仕上がり | 濡れたような質感を与えつつも柔らかい仕上がり |
メリット | 水分も多く含むため、シャンプーで落としやすい |
デメリット | つけすぎるとスタイリングした髪が寝てしまう為、分量に注意 |
おすすめの髪質、髪型 | オールバック、ツーブロック、ソフトモヒカン |
グリースはグロスとも呼ばれ、このタイプのものは硬い質感でツヤを出しやすい特徴を持っています。
ジェルタイプのものとやや似た感じに仕上がり、共通しているところも多いですが、ジェルと比較するとまとまりにくい点がネックです。
グリースタイプはスタイリングが難しく、初心者にはおすすめできません。グリースタイプを使うのは、主に上級者となります。
もしグリース特有のツヤ感を出したい場合は単独で使うよりも、別の種類のヘアワックスと併用して使うことをおすすめします。
ムース
特徴 | 水分量が多いことから髪の隅々までムースの成分が行き渡る |
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仕上がり | 髪の馴染みがとてもよいことやツヤが出やすい |
メリット | 乾くことで固まるようになりキープ力に優れている |
デメリット | セット力は強くない |
おすすめの髪質、髪型 | パーマスタイル |
ムースは、泡が出るタイプのワックスです。
髪の馴染みがとてもよいことやツヤが出やすい特徴があります。
こちらはほとんどジェルタイプと共通しており、乾くことで固まるようになりキープ力に優れていることがメリットです。
そのため、ジェルタイプと同様にくせ毛が気になる人やパーマをかけた状態のときにおすすめといます。
また、水分量が多いことから髪の隅々までムースの成分が行き渡ることも魅力です。
髪にカールやウェーブをかけている人は、このタイプが適しています。
扱いやすさに定評があり、初心者が比較的使いやすいタイプです。
スプレー
特徴 | スプレー状になっており吹きかけて使用する |
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仕上がり | ガチガチに固まるハードタイプから、ふんわりした状態をキープするものまでさまざまなバリエーションがある |
メリット | スタイリングを長時間キープできる |
デメリット | 一度固まったら微調整が効かない |
おすすめの髪質、髪型 | ショートヘア |
スプレータイプのものは、名前の通りスプレー状になっており吹きかけて使用します。
スタイリングとキープの両方ができるのが魅力です。
髪を固める目的で使うヘアスプレーとワックスのいいとこ取りを目指してつくられており、スプレーの成分が乾くまでの間にスタイルの微調整が可能です。
スプレーの成分が乾いてからは、キープする力があります。
こちらは、ロングヘアの人でも不便なく使えますが特にショートヘアの人にとってはうってつけのタイプといえます。
朝の時間がない時に、短時間でセットすることができることも優れている点の一つです。
パウダー
特徴 | 「パウダー樹脂」が配合されたヘアワックス |
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仕上がり | 全体的にマットでふんわりとした感じの仕上がり |
メリット | ノンオイルタイプがほとんどで、べたつかない |
デメリット | ギシギシっとした手触り |
おすすめの髪質、髪型 | 軟毛の方やナチュラルな髪型が好きな方 |
パウダータイプのものは、「パウダー樹脂」が配合されたヘアワックスのことを言います。
粉状のタイプのものはあまり市販で販売されておらず、実際にはジェル状だったり、液体状だったりと様々です。ただ、ボリュームを出しやすい特徴を持っているのが利点といえるでしょう。
また、ノンオイルタイプがほとんどでありべたつかないのもメリットといえます。
軽い質感ですので、髪を固めるのではなく髪の広がりを出すためのアイテムとして活用されます。
ですので、薄毛で細い髪の人に適しています。
また、パーマをかけている人もふんわりとした感じの広がりを出したい時には使用は適しています。
ウォータータイプ
特徴 | ジェルのような質感でありながら固まらない水のようなタイプ |
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仕上がり | 手のひらでさっと伸びるので、柔軟性が高く髪の毛にも馴染みやすい |
メリット | シャンプーでスッキリ洗い流せる |
デメリット | 速乾性があるので、手早くスタイリングが必要 |
おすすめの髪質、髪型 | ショート、ミディアム |
ウォータータイプのものは、名前の通り液体状になっておりスタイリングのしやすさが大きな魅力です。
大きく分けると、ミストタイプと呼ばれるスプレーと同じ感覚で噴射して水霧のように付けるタイプと、ジェルに似ていますが固まらないタイプに分かれています。
ウォータータイプのものは髪に適度な弾力を与える作用があり、またヘアスタイルをキープさせやすいメリットもあります。
入浴中においてはシャワーやシャンプーをするときに、簡単に洗い落とせることができるため負担になることがありません。
こうした扱いやすさが人気理由の一つといえるでしょう。
ジェルのような質感でありながら固まらない水のようなタイプ
カラー
特徴 | 成分の中に色素の成分を含んでいる |
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仕上がり | 好きな部分にポイントでカラーが可能 |
メリット | 整髪と、色染めの両方可能 |
デメリット | 雨が降った時の使用はカラーが流れて衣類についてしまう |
おすすめの髪質、髪型 | すべてのヘアスタイル |
カラータイプのものは、成分の中に色素の成分を含んでいるワックスです。
色は様々なものがありますので、染めたい人向けといえます。
質感はファイバータイプに似ています。整髪と、色染めの両方をしたいときにはおすすめです。
手軽にカラーを希望する人向けのアイテムであり、シャンプーをすると簡単に落とすことができます。
とはいえ、髪の全体を均等に染め上げることは難しいです。
好きな部分にポイントなどでカラーを入れて使用することが多いです。
デメリットは、雨が降った時の使用はカラーが流れて衣類についてしまうので雨天時は使わないようにします。
髪質別で選ぶ!ワックスの選び方
剛毛の人にはファイバータイプかクリームタイプが最適
ワックスの選び方ですが、剛毛に該当する場合にはファイバータイプかクリームタイプが適しています。
剛毛の髪質は硬めで重いため、油分が多いファイバーやクリームタイプで髪のごわつき・広がりを重さで抑制させられる点で有用です。
さらには、ファイバータイプのものは艶がよく出るという性質から、乾燥した毛先を艶やかにしてくれるメリットもあります。
剛毛の人が選ぶときには、ボリュームを抑えられることと艶を引き出すことの2点を重視しておくと満足のいく結果になるでしょう。
軟毛にはドライタイプがおすすめ
逆に、軟毛に該当するときにはドライタイプのワックスを選ぶようにします。
髪の毛が細目で量が少ない特徴を持つ軟毛タイプには、油分が少なめであるドライタイプを使用して軽い仕上がりを演出するのが合っています。
また、ヘアスタイルを長くキープする目的で、ウォータータイプを使用するのも有効でしょう。
軟毛の人が選ぶときのポイントは、髪にふくらみを持たせられなおかつセットしやすいタイプのものを重視して購入すると良いです。
ノーマルの髪質の場合は基本的にどれも合う
剛毛でも軟毛でもないノーマルに該当する場合には、クリームタイプ・ファイバータイプ・ドライタイプなどが挙げられます。
というより、ノーマルタイプの髪質は特に剛毛でも軟毛でもないため基本的にはどのタイプにも比較的合います。
ノーマルの髪質は、自分のしたいスタイルで選んで特に構いません。
その中でも、クリームタイプのものはナチュラルな仕上がりを演出したいときにおすすめです。
使用することで、艶を引き出すことが可能で軽い仕上がりが期待できます。
くせ毛の人は広がるかくっつくかでおすすめが違う
くせ毛の人は、ジェル・ファイバー・ドライタイプのものが合っています。
一口にくせ毛といっても、髪の毛が広がりがちなタイプとくっついてしまうタイプに分かれています。
選ぶときの基準は、くせ毛によって髪が広がりがちな傾向にある場合は重さがあり艶を引き出せるジェルやファイバータイプの利用が最適です。
逆に、くっついてしまうタイプのくせ毛は軟毛と同じようにドライタイプのワックスの利用があっているので、覚えておくようにします。
ワックスの正しい使い方を知っておこう
ワックスの使用時には、正しい使い方をしないとなりません。
間違った使い方では、外から見て悪目立ちしてしまいます。
正しく使用するには基本的な手順を覚えておくことが重要です。
基本形となる使い方は、最初に500円玉くらいの量を手に取っておき手のひらににしっかり広げておきます。
次に、頭に付けておく時はすべての種類に共通していえますが、軽くマッサージをするような感覚で揉み込むようにするのが基本です。
そして、最後に微調整をすると完了です。
量に関しては、一般的にはビー玉2個くらいの大きさで充分でしょう。
ワックスを使う際のコツ
ツヤ感をアップ
ワックスを使うときには、いくつかちょっとしたテクニックを必要とします。まずツヤを引き出したいのであれば、グリースタイプのワックスと別のタイプのものを混ぜて使用します。
このタイプは硬くて伸びにくい性質のものですが、他のものと混ぜることによってグリースタイプ単体よりも軽く伸びやすくすることが可能です。
混ぜ合わせる配分に関しては、最初のうちは多少試行錯誤はいりますが慣れればそこまで手間はかからず出来るようになります。
なじみやすくする
頭に付けるときには、髪に馴染みやすくする工夫を施すようにします。
例えば、ドライタイプのものを使用するときにはしっかりと手のひらで広げておいた後、ほんの数滴だけ水を垂らしておくようにすると良いでしょう。
そうすることで、そのままの状態よりも少し伸びがよくなって髪になじみやすくすることが可能となります。
手間もほとんどかかりませんので、ちょっとしたテクニックとしてこの方法は有効です。
水を垂らすのは、あくまで数滴程度で充分で多く垂らす必要はありません。
質感を調整
もしも質感を調整するのであれば、特色を持ったワックス同士を少し混ぜておくことでツヤ感やボリュームなどを引き出しやすくすることができます。
ただし、相性が良くない組み合わせもありますので覚えておきます。
ムース・ウォーター・ジェルタイプのものは混ぜにくく、おすすめできません。
基本的には何個か使用したり混ぜてみて、自分に合っているタイプのものを決めていくことになります。またワックスは使ってみないと適性が分からないので、髪質に合わせて向いているものを軸に別の種類のものも混ぜたりしながら使っておきます。
ワックスを使うときに注意すること
大量に付けすぎない
付ける時には注意点もいくつかあります。まずは、大量に付けすぎないようにすることです。
よく初心者の人が考えてしまいがちなことですが、たくさんワックスをつけたら長持ちすると考え大量にワックスを付ける人がいます。
しかし、それは逆効果になるので推奨できません。
なぜなら大量に付けたワックスの重さによって立ち上げた髪の毛がすぐに下がってべたついた状態になります。
毛先に付けすぎない
使用する際にはもう一つ重要なことがあり、毛先にワックスをあまり付けすぎないようにすることも重要です。
その理由は、毛先に大量に付けてしまうと髪の毛先の方がワックスで重たくなってしまって、時間が経過するごとに髪の毛がだんだんと下がってきてしまうためです。
格好良さを演出するときには、動きや空気感がある髪型のほうが良いといわれています。
ですので、毛先には大量に付けないようにし、最大限ムラなく付けることが重要です。
美容師ワンポイントアドバイス
基本的なポイントは「まんべんなく、ムラなく」です。ワックスが固まって手についていると部分的にワックスを付けすぎてしまい、ムラになってしまったり、重くなりすぎてしまったりします。
②ワックスを付けるのは襟足から
最初から前髪、頭頂部などからつけてしまうと、過度に付けすぎてしまう事になります。まず最初はリスクの少ない襟足から後頭部にかけて付けていきましょう。
③根本と毛先の特性を理解する
ボリュームを出したい時、毛流れをつけたい時などスタイルによって様々です。
スタイリングの公式として
根本=ボリュームを出す
毛先=毛流れをつける
自分自身のゴールとしているスタイリングを理解していないと、根本も毛先も、、、と欲張ってしまい、結果としてまとまりのないスタイリングになってしまいますので、注意しましょう。
使用時には適量を付ける意識を持とう
一口にワックスといっても、種類や使い方は色々あります。
慣れないうちは失敗してしまうこともあるかもしれませんが、自分の髪質にあったものを選んでおき使い方に気を配っておけば、満足のできる仕上がりになるといえます。
付ける時には、適量のワックスをムラなくつける様に日ごろから意識して取り組むと良いです。
初心者のうちは、扱いやすいタイプのものを選んで使用するようにします。
そして、慣れてきたらくせのあるタイプや上級者向けのタイプを使用すると良いです。